<<日本一のストライカー3>>
釜本さんは、色んなエピソードを話されましたが、その一つにこんなのがありました。
東京オリンピックの前にヨーロッパ遠征に行ったそうですが、釜本さんは学生で、
メンバーの端の方でレギュラーじゃなかったそうです。
その時全日本の監督をやられたこともある渡辺さんがセンターフォワードで、
途中でケガをされてゲームに出ることができなくなったそうです。
その代りに釜本さんが出場できるようになりました。
そして東京オリンピックの時は渡辺さんのケガが治らないように祈ってたそうです、。
そうすれば自分がでられるから・・・「こう言う気持ちも時に必要ですね。
また自分はよく相手から足を蹴られたりするが、なんとも思わない。
センターフォワードなんだから当然であると言うことを言われました。
これはよい考えだと思います。試合を観ていると足を蹴られたり、引っ掛けられたりすると、
すぐ相手にくってかかる場面がありますが、見ていてあまり気分のいいものではありません。
それに、いちいち怒っていたらきりがないし、時間ももったいない、
それに次のプレーの方が大切ですね。
しかし、最近体力が無くなってきてあまり動けなくなって来たので、
あまりやられると「ええかげんにしとけや!しまいにえらいめにあうで・・・」などと言って、
へディングなどでボールが届かない時は、後ろから無茶苦茶したりするそうです。
そして「どうや俺が後ろに回ったらこわいやろ・・・・」と一言。
一通りの話が終った後、質問のための時間がとられました。色んな質問が出ましたが、
最も印象に残った選手は、やはりペレである。それは、人間的に魅力があるからです。
また外人選手と日本選手の違いはと言うと、何と言っても体力だそうです。
そして子供達を教えるのに大切なことは、まず、きちっとボールを止め、蹴れる事である。
それができなければ、次のことが何も出来ないからである。
また、ヤンマーの選手がミスパスなどの失敗をするとよく怒るそうです。
相手からのプレッシャーのある所では仕方がないけれど、
そうでないところでミスをすると特に怒るそうです。
「チーム内に敵を飼っているようなもんや、お前、今度からユニホーム白にしろ!」と、
いやみを言ったりするそうです。そして最後に日本のサッカーの向上に必要な事は、
個性のある選手をつくることであると言われた。
釜本さんは、選手からそれは、釜本さんだからできるんです・・・・とよく言われるそうですが、
「誰も初めから上手なものはいない、そこで創意工夫することが大切なんや」
と言い返すそうです。創意工夫、すなわち個性につながります。
この言葉がこの講演の中で最も印象に残りました。サッカーだけに対してではなく、
僕はいつも漠然と考えていたことがはっきりと言葉になって表れたように思われ、
強い衝撃を受けました。今では僕の最も好きな言葉になっています。
最後に当然ですが、僕は釜本さんの人物も見るつもりで講演を聞きに行きました。
最初はたいしたことないなあと思って話を聞いていましたが、終ってみると、
ああ・・やっぱり大きな人物やなあと思いました。
特にアマの中のプロやと思いました。
福井信治 同志社大学2年
ご清聴ありがとうございました。彼はサンクラブ初代のコーチをしてくれた方です。
大学生の間だけじゃなくて6年間もの間をサンクラブのコーチを経験していただきました。
そして中学校の先生となり約20年以上の間、サッカー部の顧問を経験されました。
枚方三中在籍の最後の年の秋に大阪中央大会の決勝戦まで駒を進めたことがあります。
武政泰史、福井暁也君達が活躍していた思い出深い年代でした。
明日の30周年記念で久し振りにお会いできるのが楽しみなんですが、
久し振りに1対1でもしようかと思っています。
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