オンザピッチとオフザピッチ【2013大山合宿】
今回の合宿ではピッチ上でのプレー(オンザピッチ)だけでなく、
ピッチを離れた時の子どもたちの行動(オフザピッチ)にも注目
してみることにしました。
こういう団体生活の中で、挨拶だとか整理整頓だとか、共同で
使用するもの(例えばスリッパ)を次の人のことを考えて使用
しているかなど、これから成長していく過程で欠かすことの
できないものを、日常の生活の中で身につけているかどうかを
確認する意味もありました。
以前に何度かジュニアユースのセレクションに立ち会ったことが
ありますが、プレーはもちろんのこと、受験する選手が会場に
入ってくる時の態度や自分の荷物の整理の仕方、スパイクは磨かれて
いるかなどを細かくチェックしていました。
こういう簡単なことができていない人は、選手として大成するはずが
ないからです。
さて、初日に玄関を入ってきた時のこと、案の定、シューズは乱れに
乱れ、反対に向いているものや左右が逆向きになっているもの、
とにかく酷い状態でした。
しかし、6年生の永田君に「玄関汚いなぁ。」とひと声掛けただけで、
彼は3日間、自ら進んで玄関に張り付き、整理整頓に努めてくれました。
これを見ていた4年生の入柿君や新保君、5年生の原君も手伝って
くれるようになりました。最終日には中学1年生も。
3・4年生の部屋のスリッパはいつも綺麗でした。また秋山君は
「トイレの責任者」として、いつも気を配ってくれていました。
「本当に気持ちいい。」「もしかしたら汚くても何も問題ないかも
しれないけど、みんなが気持ちよくなれる。」「こういうことが
普通にできているチームは本当に強くなれるし、こういうことすら
できないチームや選手はたかがしれてる。」
一生懸命に綺麗にしようとする子どもたちの姿を見て、鳥取県フット
ボールセンターのスタッフやメンテナンスに来ていた関係の方々が
こうやって口々に誉めてくれました。
見て見ぬ振りをしていた6年生や5年生はいませんでしたか?
「たかがしれてる。」のですよ。
みんながオンザピッチだけでなくオフザピッチでも一流になって
くれることを期待します。
[追記]
久しぶりに中学1年生のプレーを見ました。卒業してからまだ4ヶ月
ちょっとなので劇的にうまくなるはずもないのですが、体も大きくなって
パワーやスピードが付いてきたように思います。
ただこれから更に上手くなるためには、状況をしっかりと判断できるように
ならなくてはなりません。せっかくボールを奪ったのに、何でもかんでも
敵に向かってドリブルしたり、何でもかんでも前方に蹴って、簡単に
ボールを失うようではいけません。
ドリブルには2種類あります。敵に向かっていくドリブル。これは
意図がなければやってはいけません。相手を引き付けてパスを出すとか。
もうひとつはボールを取られないドリブル。相手の足が出てこないところで
ドリブルして、しっかりとマイボールの状態をキープする。このふたつを
しっかりと使い分けてください。
6年生はゲーム運びはうまくなっています。サイドを広く使って、攻撃する
とか無理をせずしっかりマイボールの状態をキープするとか、そういう
ことはできるようになっています。
その上でレベルアップするためには、スローな状態からいきなりスピード
アップするだとか、お互いのコミュニケーション(アイコンタクト)からの
連携で相手を崩すだとか、わざわざ人の薄いサイドに散らして時間を掛ける
だけでなく、相手の嫌がる中央を少ないタッチ数で割って出るだとか、
そういうことができるようになってほしいです。
まだまだベンチの声にただ反応しているだけのプレーが目立ちます。
自分たちが主役なんですから、自分たちの判断であっと驚くプレーを見せて
ください。
オシム元日本代表監督がよく言ってました。
「日本の子供たちは『右を向け』と言ったら全員右を向く。」と。
時には、ベンチの声に逆らって、自分の判断を優先させてプレーしても構いませんよ。
廣岡コーチ
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